じゅくせんのつぶやき2

個人塾を経営しています。読書のこと、日常のことをつぶやきます。

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

斜陽の公立高校

☆ 京都府の話。京都府ではこの時期、中学3年生、つまり卒業予定者の進路に関する調査結果が公表される。どこの高校をどれだけの人数が希望しているのか、というものだ。(あまり批判すると公表されなくなるのではと恐れるけれど) ☆ 今年度(つまり2月もし…

教育投資とその効果

☆ 政府は全国の小中学校で生徒1人当たり1台のパソコンやタブレットが使える環境整備をするという。 ☆ IT教育やデジタルデバイスが言われる中、一見良さそうな政策だが、その整備に予算が4000億円必要だと聞くとき、果たして教育投資に見合う効果があ…

プラハの春

☆ NHKスペシャルのドキュメンタリー「社会主義の20世紀」から「プラハの春」を観た。 ☆ 1968年、ドプチェク第1書記をリーダーに「顔の見える社会主義」を目指すチェコ・スロバキア。この改革を反革命と捉えるソ連を中心としたワルシャワ条約機構軍が…

学力向上の分岐点

☆ 湊かなえさんの「告白」(双葉文庫)に面白い段落があった。51頁のあたり。 ☆ 中学1年生、メキメキ学力が上がってきた生徒。しかし、やがてスランプが訪れる。「ここからが本当の勝負のしどころ」と作品は書く。自分の実力はここまでと諦めて成績が下が…

地方紙が面白い

☆ 全国紙のニュースはネットで代用でき、本の紹介コーナー以外はあまり面白くない。一通りは目を通すが、東京文化とでも言おうが最大公約数的なのっぺろした記事が多いように思う。 ☆ その点、地方紙が面白い。身近なニュースはもちろんのこと、コラムや特集…

東京大衆歌謡楽団

☆ youtubeを何気なく見ていると「東京大衆歌謡楽団」というグループが目についた。 ☆ 昭和初期からタイムワープしてきたような男性ボーカル。演奏は、アコーデオン、ウッドベースが基本。これにバンジョーやギター、パーカッションが加わることもある。 ☆ 神…

連城三紀彦「夕萩心中」

☆ 連城三紀彦さんの「夕萩心中」(光文社文庫)から表題作を読んだ。 ☆ 幻想的な夕暮れの風景から始まる。西の空は刻々と色を変え、ススキの原に風がそよぐとまるでさざ波のようだ。8歳の少年は道草を食って道に迷った。路傍で泣いていたところ、男女の二人…

期末テスト対策終わる

☆ 中学校の期末テスト対策が終わった。恒例行事ながら精魂尽きる。高校の期末テストまで2週間ほどあるので読みかけの小説を進めたい。 ☆ 法月綸太郎「生首に聞いてみろ」(角川書店)今102頁(全492頁)。著名な彫刻家の死。彼が最後に残した作品の首…

有栖川有栖「愛染坂」

☆ 有栖川有栖さんの「幻坂」(角川文庫)から「愛染坂」を読んだ。 ☆ 大阪を舞台に男と女の出会いと別れを描く。名が売れてきた新人作家、しかし少々スランンプ気味だ。ぶらっと出かけた愛染祭り。作家志望というある女性と出会った。 ☆ 出会いは恋となり、…

東野圭吾「エンドレス・ナイト」

☆ 中学校の期末テストが来週の木曜日、金曜日なので、今日と明日は1日中テスト対策。授業の合間に短い作品を一つ読んだ。東野圭吾さん「犯人のいない殺人の夜」(光文社文庫)から「エンドレス・ナイト」。 ☆ 「エンドレス・ナイト」というとそこそこ年配の…

白石一郎「海狼伝」

☆ 白石一郎さんの「海狼伝」(文春文庫)を読んだ。「海洋冒険時代小説」と銘打たれているが、まさに海に生きる若者の大河小説だった。 ☆ 織田信長が諸国の戦国大名を打ち破り、本能寺と戦っていた時代。瀬戸内海では村上海賊が覇権を握っていた。 ☆ 舞台は…

野沢尚「反乱のボヤージュ」

☆ 野沢尚さんの「反乱のボヤージュ」(集英社)を読んだ。学生時代を懐かしんで読んだ。 ☆ 首都大学弦巻寮(モデルは東京大学駒場寮らしい)、かつては学生運動の拠点となったその寮も今では60余名の学生を抱え、ひっそりと時を過ごしていた。大学側は学長…

芥川龍之介「手巾」

☆ 相棒シーズン16、第5話で杉下右京(水谷豊)さんが引用していたので、芥川龍之介「手巾」(青空文庫)を読んだ。 ☆ 夏の午後、大学教授が籐のイスに座って本を読んでいる。ときどきベランダに吊ってある岐阜提灯を眺めながら。それは彼が外国人の妻と買…

帚木蓬生「閉鎖病棟」

☆ 帚木蓬生さんの「閉鎖病棟」(新潮文庫)を読んだ。 ☆ 心に病を抱える人が入院、治療を受ける「閉鎖病棟」が主な舞台。 ☆ 最初の堕胎シーン、次に続く放火殺人シーン、断片的であるとさえ思えるこれらの場面がやがてメインストーリーにつながっていく。前…

石井遊佳「百年泥」

☆ 石井遊佳さんの「百年泥」(新潮社)を読んだ。面白かった。素材が良い。 ☆ 主人公の女性、訳ありの男に勝手に名義を使われて、借金で首が回らなくなる。恥を忍んで元夫に相談したところ、紹介された仕事がインドの企業で日本語を教えること。彼女に選択の…

東野圭吾「予知夢」

☆ 東野圭吾さんの「予知夢」(文春文庫)から「夢想る(ゆめみる)」と「霊視る(みえる)」を読んだ。 ☆ 「夢想る」は「モリサキレミ」という名前にまつわる話。「霊視る」は心霊写真が出てくる。オカルトチックな作品が続く。あえて物理学者の湯川助教授を…

共通一次テスト

☆ 2020年からの大学入試改革、英語民間試験の導入が延期され、数学、国語の記述式も先行きが不透明だ。次々と目玉企画がボツになり、それなら今まで通りのセンター試験で良いのではと思えてきた。 ☆ 私見で結論を言えば、「共通テスト」は大学受験基礎テ…

中村文則「遮光」

☆ 中村文則さんの「遮光」(新潮文庫)を読んだ。作者自身が「あとがき」で書かれているように、暗く癖のある作品だった。ただ終盤の数ページ、奥歯をかみしめてぶちのめすような、爆発的な若々しさを感じた。 ☆ この作品を読んでいるとカミュの「異邦人」が…

飛翔通勤

☆ 石井遊佳さんの「百年泥」(新潮社)を読んでいる。 ☆ 濁流にのみ込まれたインドの街。100年に1度の大洪水を体験したという。100年間、どぶ川の底にたまったヘドロが一気に攪拌され、街は悪臭のるつぼと化す。 ☆ そんな中でも人々はたくましく生き…

五木寛之「天使の墓場」

☆ 五木寛之さんの「蒼ざめた馬を見よ」(文春文庫)から「天使の墓場」を読んだ。 ☆ 北陸の某商業高校、山岳部3年生が教員に引率されて登山をしていた。卒業を前にして良い思い出になるはずだった。往路をクリアし、復路に入った時だった。彼らは思わぬ事態…

道尾秀介「箱詰めの文字」

☆ 道尾秀介さんの「鬼の跫音」(角川文庫)から「箱詰めの文字」を読んだ。 ☆ 作家志望の男を突然見知らぬ青年が訪れる。数日前に盗みに入ったのでその謝罪だという。盗んだというのは押し入れにあったという招き猫の貯金箱。しかし、男にとってそれは見知ら…

東野圭吾「離脱る」

☆ 東野圭吾さんの「探偵ガリレオ」(文春文庫)から「離脱る(ぬける)」を読んだ。ドラマの中でも印象に残ったエピソードだった。 ☆ ある女性殺人事件。その事件の決め手となる自動車を少年が目撃したというもの。しかし少年はその時、熱を出してベッドの中…

連城三紀彦「白蓮の寺」

☆ 連城三紀彦さんの「戻り川心中」(光文社文庫)から「白蓮の寺」を読んだ。 ☆ 幼い頃のあやふやな記憶。影絵のように脳に刷り込まれた殺害現場。成長した主人公はその光景の秘密を探っていく。 ☆ 因習や迷信が色濃く残っていた大正時代の寒村。主人公の母…

連城三紀彦「桐の柩」

☆ 連城三紀彦さんの「戻り川心中」(光文社文庫)から「桐の柩」を読んだ。 ☆ 東映の仁侠映画のような世界。時代は日中戦争が始まった頃というから、昭和12年前後。会社をクビなり空腹を抱えていた男が貫田という男に助けられる。堅気の人間ではないがそん…

窪美澄「ミクマリ」

☆ 朝から「18禁」小説。窪美澄さんの「ふがいない僕は空を見た」(新潮文庫)から「ミクマリ」を読んだ。 ☆ かなり露骨な性描写もあるが、「性」と「生」、さらには生まれ来る「業」のようなものを感じる作品だった。 ☆ 男子高校生、コミケで12歳も年上…

乾くるみ「イニシエーション・ラブ」

☆ 乾くるみさんの「イニシエーション・ラブ」(文春文庫)を読んだ。 ☆ 合コンの穴埋めに誘われたオクテの男子大学生。あろうことか参加した女性に一目惚れをしてしまった。前半3分の1ほどは初心な純愛って感じで進行。中盤は濃厚なラブシーンにドギマギ。…

有栖川有栖「ペルシャ猫の謎」

☆ 有栖川有栖さんの「ペルシャ猫の謎」(講談社文庫)から表題作を読んだ。 ☆ 推理小説というと犯人探しやトリックの種明かしが中心になるけれど、この作品は、そうしたことは二の次でちょっぴり切ない物語だった。 ☆ 彼女が猫を残して出ていった。勤めてい…

東野圭吾「爆ぜる」

☆ 東野圭吾さんの「探偵ガリレオ」(文春文庫)から「爆える(はぜる)」を読んだ。構成がすごく良い感じだった。 ☆ 海水浴客でにぎわう湘南の海。突然海から火柱が上がり、女性が一人爆死した。警察が調べたが残留物もなく、何が原因なのかわからない。地元…

中村航「100回泣くこと」

☆ 「何故この世には病や死があるのだろう」(182頁) ☆ 中村航さんの「100回泣くこと」(小学館文庫)を読んだ。 ☆ 物語は静かに始まる。河原で拾って、子犬から育てた愛犬が病気で弱っている話。4年ぶりに実家に帰るために、手入れを怠っていたバイ…

ドラマ「ボイス」

☆ 韓国ドラマ「ボイス 112の奇跡」とそのリメイク日本版「ボイス 110緊急指令室」を観た。 ☆ 日本版は韓国版のストーリーをほぼ踏襲していたが、16回シリーズを10回に短縮したためか、作品にかける予算の違いからか、深さが感じられず、観ていて辛…