じゅくせんのつぶやき2

個人塾を経営しています。読書のこと、日常のことをつぶやきます。

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

黒井千次「石の話」

☆ 大学時代の恩師が亡くなって早くも3年。コロナ禍も落ち着いてきたので11月3日に「偲ぶ会」を開くという。祝日とはいえ、私は夜の授業があるので出欠を迷ったが、この機会に会わなければ一生会えない友もいると思い、出席することにした。 ★ 師の話とい…

高野和明「ジェノサイド(上)」

★ 人類はどのように滅ぶか。自分が生きている間には起こらないとは思うが、いつかは訪れる日。それにはいくつかのシナリオが考えられている。 ★ 地球外の小惑星が地球に激突し環境を一気に変えてしまうのか。地殻変動による巨大噴火や磁場の変化で環境が変わ…

堀江敏幸「傾斜面」

★ 毎日のルーティーンワークをこなして1日が終わる。変化はないが平穏な日々。案外こんなことが幸福なのかも知れない。 ★ 今日は堀江敏幸さんの「雪沼とその周辺」(新潮文庫)から「傾斜面」を読んだ。 ★ 主人公の中年男性、香月は、赤く焼けた夕空に見と…

絲山秋子「袋小路の男」

★ 9月ももうすぐ終わるというのに、今の気温は31℃。今週末は近隣の小学校の運動会。無事に終わりますように。 ★ さて今日は、絲山秋子さんの「袋小路の男」(講談社文庫)から表題作を読んだ。2004年「川端康成文学賞」受賞作。 ★ 主人公の女性の12…

江國香織「ラブ・ミー・テンダー」

★ 塾生がまた増えそうで、うれしい悲鳴を上げたい日々。ありがたいことなのだが。 ★ さて、忙しくてまとまった本が読めない。今日は江國香織さんの「ぬるい眠り」(新潮文庫)から「ラブ・ミ・テンダー」を読んだ。 ★ 70歳を超えた母親から「離婚する」と…

星新一「最後の地球人」

★ 寒暖の差が大きく、身体にこたえる。 ★ さて今日は、星新一さんの「ボッコちゃん」(新潮文庫)から「最後の地球人」を読んだ。 ★ 科学の進歩により爆発的に増える人類。他の動物や昆虫まで駆逐し、砂漠や山地を開発しても、もはや地球に住む所はなく、中…

村上春樹「風の歌を聴け」

★ 1978年から1980年にかけて読んだ本。 ★ この中から今日は、村上春樹さんの「風の歌を聴け」(講談社)を読んだ。何十年ぶりかの再読。散文詩のような軽快な文体で、村上作品の長編第1作目にして、1番好きな作品だ。 ★ 「この話は1970年の8…

篠田節子「家鳴り」

★ 一雨ごとに季節が移る。酷暑に慣れた体に朝夕の冷え込みは寒ささえ感じる。暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったものだ。 ★ さて今日は、篠田節子さんの「家鳴り(やなり)」(新潮文庫)から表題作を読んだ。夫婦愛の物語かと思いきやちょっとホラー感が漂っ…

志賀直哉「赤西蠣太」

★ 吉田修一さんの「横道世之介」はなかなかの好人物だったが、志賀直哉が描く「赤西蠣太」も印象的な人物だ。 ★ 志賀直哉「小僧の神様・城の崎にて」(新潮文庫)から、「赤西蠣太」を読んだ。江戸時代初期の仙台藩。赤西蠣太は伊達兵部の家臣となる。彼は主…

開高健「掌のなかの海」

★ 月に一度の医者通い。高血圧やら糖尿病やら高脂血症やら、ひと月分の溢れんばかりの薬をもらって帰る。ヘモグロビンA1cが6.5まで下がった。悪いときには9台だったから、だいぶ良くなったとか。ダイエットの成果か。 ★ さて今日は、開高健さんの「珠玉…

吉村昭「青い星」

★ 昨日の「それぞれの終楽章」に続き、今日も壮年の物語を読んだ。吉村昭さんの「遠い幻影」(文春文庫)から「青い星」。 ★ 40年の会社勤めを終え、主人公は思い出の数々を拾う旅を余生の楽しみにしている。彼の生地は戦争で焼け、すっかり姿を変えていた…

阿部牧郎「それぞれの終楽章」

★ 近隣の小中学校ではコロナが猛威をふるっている。学級閉鎖も聞こえてくる。マスクを装着している児童・生徒が少数派となり、当然のようにウイルスは活躍を始めたようだ。 ★ さて、阿部牧郎さんの「それぞれの終楽章」(講談社文庫)を読み終えた。第98回…

小池真理子「食卓」

★ 敬老の日。65歳以上の人口が約3600万人。日本の全人口の29%を占めるという。平日の午前11時台のスーパーに行くと、この数字(いやそれ以上の高齢化率)を実感する。そういう私も、気持ちばかりは若いものの、きっちり高齢者の仲間入りだ。 ★ さ…

サキ「肥った牝牛」

★ ドラマ「VIVANT」最終回。いわゆる考察隊が話題を膨らましていたが、案外あっさりとした結末だった。何か続編がありそうな。しかし、「家政婦のミタ」も何かありそうで結局なかったけれど。 ★ 先日、津村記久子さんの「サキの忘れ物」を読んで、その中で紹…

佐々木譲「兄の想い」

★ 塾生は学校の様子をよく話してくれる。近隣の中学校では1年生の担任が休養に入ったという。40代のベテランの先生だというが、クラスをうまくまとめられなかったようだ。代わりに、教頭先生が授業を代行しているとか。しかし、それが子守唄のようでとの…

津村記久子「サキの忘れ物」

★ 阪神タイガース18年ぶりの優勝。久しぶりなので優勝の瞬間を普段見ないサンテレビで観た。私は村山、江夏、田淵、掛布、岡田、バースの時代しか知らないから、選手の名前を聞いてもよくわからなかったが、とりあえずめでたい。 ★ 映画「Fukushima50」…

三浦哲郎「おおるり」

★ 東日本大震災で起こった東京電力・福島原子力発電所事故。それをテーマにしたNETFLIXのドラマ「THE DAYS」を全話観終わった。面白かった。当時の吉田所長を役所広司さんが演じられていた。 ★ 決死の覚悟で事故対応にあたる現場。それに引き換え、メンツに…

野坂昭如「ベトナム姐ちゃん」

★ 季節の変わり目のせいか、コロナに感染して休む生徒が増えてきた。5類に移行し、もはや第9波ともなるとニュース性は薄れてきたが、コロナ感染症は決して終息していない。 ★ さて今日は、野坂昭如さんの「ベトナム姐ちゃん」(「日本文学100年の名作 …

辻原登「家族写真」

★ ドラマ「VIVANT」はSNSを巧みに使って成功している。筋書きに込められた謎、あちこちに散りばめられた伏線。その回収をめぐって、諸説奮発するのが面白い。視聴者参加型謎解きという感じか。 ★ NETFLIXで「THE DAYS」を観始めた。2011年3月11日、東…

川上弘美「さやさや」

★ 「論集」の原稿を提出。一仕事終えたという感じ。11月には「偲ぶ会」が催されるという。 ★ 日曜夜の楽しみは「VIVANT」だ。第9話も面白かった。来週はいよいよ最終回。昨年は「鎌倉殿の13人」にはまったが、今年はこの作品だ。 ★ さて今日は、川上弘…

河野多惠子「半所有者」

★ 大学時代の恩師が亡くなって3年。追悼論集の話を頂いてエントリーしたのが4月。それから5か月がたつというのに一向に筆が進まず、さすがに締め切りが迫ってきたので、この2日間で書き上げた。 ★ 恩師との思い出を述べつつ、恩師の教えを経営に生かして…

村上春樹「アイロンのある風景」

★ 録画してあったNHK「世界サブカルチャー史 欲望の系譜3 日本 逆説の60-90’s」を観る。私が生きてきた半生を振り返るようで面白かった。いろいろとあったなぁ。 ★ さて今日は、「日本文学100年の名作 第9巻」(新潮文庫)から村上春樹さんの「ア…

吉本ばなな「田所さん」

★ 関西のローカル「551 蓬莱の豚まん」のCM、豚まんが「あるとき」の明るい雰囲気と「ないとき」の陰鬱な雰囲気の対比が表現されている。 ★ 豚まんに限らず、いるだけでパッと場が明るくなったり和んだり、いないと何となく物足りないという人がいる。「…

大城立裕「レールの向こう」

★ 大城立裕さんの「レールの向こう」(新潮社)から表題作を読んだ。 ★ 主人公の奥さんが脳梗塞で倒れた。運よく洗濯機に寄り掛かったのと発見が早かったので一命はとりとめたが、身体の麻痺と記憶障害が残った。 ★ 身の回りのことを一手に引き受けていた妻…

山本文緒「庭」

★ 季節の変わり目か、時折激しい雨が降る。朝から半年に1度の歯科検診。お陰様で異常なく、歯の掃除をしてもらって半年後に予約をとる。 ★ さて今日は、山本文緒さんの「庭」(「日本文学100年の名作」第9巻、新潮文庫)を読んだ。 ★ 母親の急逝。庭付…

小池真理子「一角獣」

★ 少しずつ涼しくなってきたので、夏の疲れからか睡魔がちょくちょく訪れる。特に読書は眠りを誘う。 ★ 今日は小池真理子さんの「一角獣」(「日本文学100年の名作 第9巻」新潮文庫所収)を読んだ。 ★ 何となくその日暮らしで生きてきた女性。多くの男と…

江國香織「清水夫妻」

★ 今日は早朝から五ツ木の京都模試。いよいよ受験シーズンの開幕だ。 ★ 新潮文庫の「日本文学100年の名作 第9巻」から江國香織さんの「清水夫妻」を読んだ。 ★ 「私」が蕎麦屋で元カレ(今は友人)と捨て猫を拾った話をしていると隣の席のご婦人が話に割…

堀江敏幸「ピラニア」

★ 昨夜、NHK-BSで放映された「英雄たちの選択」、地震計の研究で有名な大森健吉が取り上げられていた。 ★ 明治以降、創設された地震の研究。研究者たちの地道な調査の結果、地震の本質が少しずつわかるようになってきた。しかし、どこで、どのような規模の地…

泉鏡花「露宿」

★ 昨夜は見事な満月だった。今年も8か月が過ぎ、残るは4か月。日の入りが急に早くなった気がする。 ★ さて今日は、関東大震災から100年だという。1923年9月1日午前11時58分。相模湾北西部を震源とするマグニチュード7.9の地震は、東京市(…