じゅくせんのつぶやき2

個人塾を経営しています。読書のこと、日常のことをつぶやきます。

2024-01-01から1年間の記事一覧

篠田節子「恨み祓い師」

★ YouTubeで「量子力学」の解説を聞く。素粒子といった微細な(あるいは光やエネルギーといったものの)世界では、私が日常経験しているのとは異なった法則があるという。なかなか理解しがたいが、あらゆるものがあるリズムで振動し、その膨大な集積が(確率…

柚月裕子「原稿取り」

★ 冬期講座4日目。前半戦が終わる。明日、あさっては自習室を開放。家では集中できない受験生に使ってもらう。 ★ 今日も短い作品。柚月裕子さんの「チョウセンアサガオの咲く夏」(角川文庫)から「原稿取り」を読んだ。 ★ 大御所作家の玉稿を待っている編…

荻原浩「レシピ」

★ 冬期講座3日目。あっという間にクリスマスが終わり、街は正月に衣替えする。 ★ 今日は荻原浩さんの「月の上の観覧車」(新潮文庫)から「レシピ」を読んだ。 ★ 60歳で定年を迎えた夫を待つ妻。30余年間に書き足したレシピ帳を繰りながら、若い頃の男…

東野圭吾「禁断の魔術」

★ クリスマスイブ。朝から冬期講座。昼も夜も授業が入っている。ありがたいことだ。 ★ 授業の合間に、東野圭吾さんの「禁断の魔術」(文春文庫)を読み終えた。さすがベストセラー作家の作品。とても読みやすい。 ★ この作品はあらすじを書かない方が良いだ…

湊かなえ「フランス人形」

★ 近隣の小中学校は今日が2学期の終業式。うちの塾は明日から冬期講座が始まる。今年は暦の関係で7日間だけ。コンパクトになって、受講者も少なそうだ。少しのんびりさせてもらおう。 ★ 今日はイヤミスの女王、湊かなえさんの「贖罪」(双葉文庫)から「フ…

奥田英朗「オリンピックの身代金 上」

★ 韓国ドラマを見ていると、よく悪霊が登場する。悪霊がヒトに憑依し、殺戮を繰り返す。 ★ 日本のあちこちで物騒な事件が相次いでいる。北九州の女子中学生は本当にかわいそうだ。マスメディアは「動機の解明が待ち望まれます」と常套句を発するが、カメラに…

ドラマ「ギフト」

★ 中学3年生、学校のクラブ活動は夏の大会で引退になるが、外部のクラブチームに所属している子どもたちは、年末まで練習をしている。クラブ活動が学校外に移行されつつある中、この傾向が広まっていくのだろうか。 ★ さて、少し時間ができたので、久々にFO…

歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」

★ 今年もあと半月。やりたいことはいっぱいあったけれど、やり残したことが多い。人生は束の間。健康寿命はあと何年あるやら。来年は悔いが残らないように燃え尽きよう。 ★ さて今日は、歌野晶午さんの「黄桜の季節に君を想うということ」(文春文庫)を読み…

サイモン・シネック「WHYから始めよ!」

★ 今年も残り20日。中学校は今週末から、小学校は来週から短縮授業になる。学校が早く終わると、時間を持て余した生徒が早くから塾に来る。授業の準備を早めに終わらせなければ。24日からは冬期講座が始まる。年末で塾をやめる生徒、1月から塾に通い始…

乃南アサ「幽霊」

★ アマゾンプライムビデオで映画「シビル・ウォー アメリカ最後の日」を観た。分断された合衆国。カリフォルニア州とテキサス州が分離独立。両州の連合軍がワシントンを目指して侵攻。それをジャーナリストが追うという設定だった。 ★ 「分断」という今日的…

映画「ソウルの春」

★ 韓国、ユン大統領による「非常戒厳」の発令には驚いた。それがわずか数時間で解除されたのにもまた驚いた。ソウル市民が「何が起こったのか」とインタビューに答えていたが、寝耳に水の出来事だった。 ★ 戒厳令と聞けば、日本の場合、「二・二六事件」を思…

円城塔「コード・ブッダ」読み始める

★ 韓国大統領の戒厳令発令には驚いた。背後には大統領自身の保身があるようだが、議会で多数を占める野党の反発で数時間で解除されるという不始末。政局が混乱するとかつてのような軍事クーデターによって軍事政権という道を辿るのではと危惧する。 ★ 民主化…

小池水音「あなたの名」

★ 過去の写真がカラー化され、さらに動画化されている映像を「YouTube」で見かける。AI技術の進歩はすさまじい。単なる記録ならビデオカメラでもできるが、クリエイティブで双方向的になれば、その存在を永久に留めることができる。ある意味、不老不死の実現…

髙村薫「父が来た道」

★ ドラマ「遺留捜査」(2021)の第7話には「闇バイト」が登場する。 ★ 廃業したキャバレーで男性の刺殺体が発見される。男性はあるヤクザ組織の幹部だが、実は潜入捜査をしている警察官だった。その組織は特殊詐欺に関わっているらしい。 ★ 今、一人の…

千葉雅也「デッドライン」

★ アマゾンで注文したコピー用紙、ヤマト運輸で届けられる予定なのだが、予定日を過ぎても届かない。問い合わせてみると、配送ミスでなんとオキナワに行ってしまったとか。優先的に27日には届けるというが、いったい何があったのか。ミステリーだ。 ★ 韓国…

吉田修一「グリンピース」

★ 期末テストが終わった終末。今日は午後6時には生徒がいなくなったので、ちょっぴりのんびりできた。U-NEXTでドラマ「遺留捜査」スペシャルを何本か観た。昔の警視庁編と最近の京都府警編。それぞれに面白かった。 ★ 夜、吉田修一さんの「熱帯魚」(文春文…

村上龍「限りなく透明に近いブルー」

★ 中学校の期末テストが終わる。次は高校の期末テストと冬期講座の準備。塾業界の年末年始は修羅場と化す(笑)。 ★ さて今日は、村上龍さんの「限りなく透明に近いブルー」(講談社文庫)を読み終えた。この作品も文庫が発行された1979年から80年ごろ…

本城美智子「十六歳のマリンブルー」

★ 中学校の期末テスト1日目が終わる。あと1日。期末テストが終われば次は冬期講座の準備だ。 ★ さて今日は、本城美智子さんの「十六歳のマリンブルー」を読み終えた。第10回「すばる文学賞」(1986年)受賞作。私は1987年3月26日に一度読み終…

重松清「流星ワゴン」

★ 昔、「ウルトラQ」のエピソードに「あけてくれ」というのがあった。仕事と生活に疲れたサラリーマン、彼の乗った電車が時空を超えた旅に出るという話だった。 ★ また、人間は死の間際に自分が歩んだ生き様を走馬灯のように見るともいう。 ★ 今日は、重松清…

平中悠一「She's Rain」

★ 今日は一日中鬱陶しい天気。 ★ 平中悠一さんの「She's Rain」(河出書房新社)を読んだ。1984年度「文藝賞」受賞作。 ★ 私は1987年3月24日に1度読み終えたとメモしてある。「久々に快い小説だった。テーマはいたって簡潔。文章も飛ぶように流…

野沢尚「リミット」

★ 野沢尚さんの「リミット」(講談社文庫)をやっと読み終えた。500頁を超える長い作品だった。 ★ 連続児童誘拐事件。新たに一人の少女が誘拐された。警視庁は直ちに対応に当たる。身代金要求に備えて被害者宅には捜査一課特殊班捜査係が配置された。女性…

見延典子「もう頬づえはつかない」

★ 中学校の期末テストが迫ってきた。日頃勉強しない子たちも押し寄せてくる。対策問題をつくるのに追われる。 ★ とはいえ、合間を縫って、見延典子さんの「もう頬づえをつかない」(講談社)を読み終えた。1978年発表の作品。文芸誌の新人賞ではなく、大…

庄司薫「赤頭巾ちゃん気をつけて」

★ 11月も中旬だというのに温かい。洗濯物がよく乾くのでありがたいが。 ★ 高校生は公募制推薦の受験が始まる。最近の大学入試は夏休み明けの「AO(総合選抜型)入試」「指定校推薦」、11月から12月の「公募制推薦」、1月の共通テストを経て、2月から…

高橋三千綱「九月の空」

★ 総選挙で躍進した野党党首の不倫問題。身から出た錆だが、まさに天国から地獄。何か裏があるような・・・。何はともあれ、もったいないね。 ★ 打って変わって青春小説。今日は、高橋三千綱さんの「九月の空」(河出書房新社)から表題作を読んだ。第79回…

田中康夫「なんとなく、クリスタル」

★ 時代が変われば人も変わる。生き方も変わる。今日は、田中康夫さんの「なんとなく、クリスタル」(河出書房新社)を読んだ。1980年度「文藝賞」受賞作で、単行本は1981年に発行されている。初版が1月20日。私が持っているのが2月27日発行の…

峰原緑子「風のけはい」

★ 期末テスト前の土日特訓。最近は学校のクラブではなくて、外部のクラブチームでサッカーやら野球やらをやっている子が多い。今日は今季最後のサッカーの試合があるとかで、受講者は4人だけ。 ★ 働き方改革で学校のクラブ活動は地域に移行という動き。これ…

村上龍「69」

★ 単調な日が続く。中学校の期末テストまであと2週間。期末テストが終われば冬期講座。そして年が明ければ受験本番だ。1年などほんとに「あっ」という間だ。 ★ 今日は村上龍さんの自伝的な小説「69 sixty nine」(集英社)を読んだ。1984年から85…

中沢けい「海を感じる時」

★ 今日は中沢けいさんの「海を感じる時」(講談社)を読んだ。この作品も学生時代に一度読んでるので再読。当時18歳の大学1年生が書いた作品というので評判になった。「子宮感覚」というフレーズが印象に残っている。 ★ 怒涛の学園紛争が終わり、「無気力…

村上春樹「風の歌を聴け」

★ 村上春樹さんの「風の歌を聴け」(講談社)を久しぶりに読んだ。1979年7月25日発行の初版。読書などそれほど好きではなかった私がなぜこの本を読み始めたのかは思い出せない。ただ、この本に衝撃を受け、新人賞の類を読むようになった。 ★ 「物語は…

高野和明「13階段」

★ 今日は第47回江戸川乱歩賞受賞作、高野和明さんの「13階段」(講談社文庫)を読み終えた。 ★ 夫婦を殺し金品を奪った強盗殺人事件。近くでバイク事故を起こした樹原という青年が実行犯として逮捕された。この事案で争点となったのは、実行犯が事故のせ…