じゅくせんのつぶやき2

個人塾を経営しています。読書のこと、日常のことをつぶやきます。

宮部みゆき「理由」

★ 今期の芥川賞、直木賞が発表された。芥川賞を受賞された市川沙央さん、受賞インタビューの中で「どうして2023年にもなってこうした作品が芥川賞で初めてなのか、みんなに考えてもらいたい」という言葉が印象的だった。

★ 芥川受賞作品を概観すると、昨今は時代性を反映している作品が受賞しているような気がする。

★ さて、これも直木賞受賞作。宮部みゆきさんの「理由」(新潮文庫)を読んだ。都心のタワーマンションの高層階で起こった一家惨殺事件。捜査が進むうちに、彼らが本当のマンション所有者ではなく、偽装家族であることがわかる。

★ なぜそんな不可解な出来事が起こったのか、そしてなぜ彼らは殺されたのか。多くの証言を通して真相が描かれていく。

★ 本作は2004年、大林宣彦監督でドラマ化されている。映像化が難しい作品だけあって、証言を重ねる手法で2時間25分はさすがにきつかった。大林監督の特徴か、シリアスな人間ドラマにファンタジーが加味された感じだった。登場人物のあまりの多さ(女優さんたちはほとんどスッピン)はドキュメンタリータッチのゆえだろうか。