☆ 随分と暖かい。近畿では他県に先駆けて京都市が最初に桜の開花宣言をしたとか。
☆ 昔ならば、京阪電車(まだ地上線だったころ)から見る鴨川の桜が美しかった。円山公園の桜は今も美しいだろうね。
☆ 私の母校、京都教育大学や奈良教育大学も桜が美しかった。
★ ということで、今日は、坂口安吾の「桜の森の満開の下」(青空文庫)を読んだ。
★ 今は花見や何やらで人が集まる桜。ところが昔は、桜は人を狂わすものとして恐れらえていたという。
★ 昔、鈴鹿峠に桜の森があり、人々は狂い死にするのを恐れてその道を避けて通ったという。
★ そんな山に、一人の山賊が住み着き、旅人を襲っては、金品を奪っていた。その日も山賊は旅人を襲い、身ぐるみを奪ったが、あまりの女房の美しさに心惑わされ、亭主を斬って彼女を奪った。
★ この女房。美しさは際立っていたが、わがままが過ぎる。とはいえ、その美しさに魂を奪われた山賊は女房の言いなりになって、毎日食に衣にと贅沢をさせた。しかし、それでも女房は満足せず、遂には、人の生首で遊ぶために、生首の調達を山賊に言いつけた。
★ そんな生首遊びにも飽きた女房は都に帰りたいといい、山賊も窮屈な都暮らしを始める。とはいえ、そんな生活は長くは続かず、山賊は一人山に帰る。
☆ このように物語が続いていく。
☆ イメージとしては黒澤明監督の「羅生門」や溝口健二監督の「雨月物語」といった感じだろうか。
☆ ホラーでありダークファンタジーな感じだ。
☆ ところで坂口安吾はこの作品で何を言いたかったのだろう。桜の花という美に潜む狂気性といったところだろうか。美しいものは時に理性を狂わせるということか。
